アンケートモニターの理想と現実
【謝礼編】
きなこ
アンケートモニター歴16年のtamaが本音を暴露!
あんこ
モニター謝礼について、
アンケートサイトに改善してほしいことをまとめたよ!
アンケートサイトに改善してほしいこと
【webアンケート編】
1. webアンケートの謝礼額が年々下がっている
アンケートモニターがwebアンケートに回答したときにもらえるポイント数が年々下がっています。
事前調査・本調査のどちらもです。
正確にいつから下がったとは言えませんが、昔は事前調査の謝礼額は最低5ポイント(5円)が相場でした。
それが3ポイント→2ポイントと下がり、ついには1ポイントのアンケートまで見かけるようになりました。
※事前調査の謝礼額はアンケートサイトによって差があり、もっともらえるサイトもあります。
例えば、海外アンケートに参加できる Ipsos iSay は、事前調査でも5ポイント以上
もらえます。
アンケートモニターをやったことがない人は
「2円も5円もそう変わらないんじゃない?」
と思うかもしれませんが、これが全然違うんです。
事前調査は回答する数が多く、複数のアンケートモニターを掛け持ちしていると、一日に20件以上回答することもよくあります。
その単価が半分以下になれば、ポイントは相当貯まりにくくなります。
うーん、なんでそんなに下がっちゃったのかな?
日本の物価も最低賃金も昔よりも上がってるよね?
アンケートでもらえるポイントも昔よりも上がらないとおかしくない?
アンケートでもらえるポイントが下がり続けている理由について、
私にはよくわからないんですよね。
特にアンケートサイトから説明もないですし。
調査会社の間で価格競争が激化しているのか、それともインターネットが普及してアンケートモニターの分母が増えたことで、安い謝礼でも回答が集まるようになったのか、どうなんでしょうね。
確実に言えるのは、アンケートでもらえるポイントが下がったからといって、アンケート1件あたりのボリューム(質問数)が減っているわけではないということ。
むしろ、事前調査でも大きな画像が表示されたり動画が流れたりして、
以前よりも回答するのに手間がかかるアンケートが増えています。
昔は動画を視聴するアンケートは、最低でも数十円の謝礼がもらえていました。
それが今は、2~3円の謝礼で動画の視聴まで求めてきます。
アンケート内に外部サイトへのURLが貼ってあって、そのサイトにアクセスしながら質問に回答するアンケートなども、昔はもっと謝礼額が高かったです。
通常のアンケートよりもパケット代がかかりそうなアンケートは、昔はその分単価が高かったのですが、最近では謝礼額に差が見られなくなりました。
あとは気になるのが、
『このアンケートでもらえるポイント数は少ないですが、最後まで回答すると今後配信されるアンケートが増えます』
というwebアンケートです。
モヤっとしてしまうのは私だけでしょうか。
元請けの会社が下請けの会社に
「仕事を回してやるから、不利な条件でも働け」
と強く出ている姿を連想してしまうんですよ。
この手のアンケートは質問数が多いものがほとんどで、回答するのに時間がかかります。
私はもらえるポイント数が少ないことに納得がいかないので回答していません。
アンケートのボリュームが事前にわかりにくくなっている
↑マトリックスの質問
最近のwebアンケートはマトリックスやそれに似た様式にすることで、
自称「1問」でも実際には数十問分の質問を1ページに載せられるようになっています。
そのため、調査概要に載っている「全○問」という情報では、アンケートのボリュームがわかりづらいです。
「1問」が選択肢を1個選んでラジオボタンをタップするだけの1問なのか、
数十行にわたってチェックボックスをタップしなきゃいけないマトリックスなのかで、回答にかかる時間は全く違います。
アンケートに回答する前に調査概要を確認して、
『全5問 謝礼3ポイント』
と書いてあったら、こちらは「すぐに終わる短いアンケートだろう」と思っちゃいますよね。
ところが実際にアンケートにアクセスしたら、1ページに大量のチェックボックスが並んでいて、回答するのに10分以上かかったりすることがあるんです。
※こちらの期待どおり、すぐに回答し終わるアンケートももちろんあります
アンケートに回答する側からすると、
- 質問文のテキスト量
- 資料(画像・動画)の量
- タップするボタンやボックスの数
が多ければ多いほど、回答するのが大変です。
マトリックスの超ボリュームアンケートを「1ページに全部収めたから、単価はラジオボタンのアンケートと一緒でええやろ」と安い謝礼額で回答募集するのはやめていただけるとありがたいです。
というか、もう「全○問」という表現ではなく、タップするボタン(またはボックス)が全部でいくつあるかを調査概要に載せてもらえると、アンケートのボリュームを把握しやすいかもしれません。
「事前アンケートだから2円でヨロシク!」
ってなると、きついよね~
アンケートの謝礼っていくらぐらいが妥当なの?
現実的な話、webアンケート一件につき、いくらぐらいの謝礼をもらえたら
満足できるのかを考えてみました。
webアンケートの謝礼単価(理想)
- 選択肢1タップ(クリック)につき3円
※ラジオボタンでもチェックボックスでも、
1つの質問でタップする回数分を計上する。
マトリックスは行・列の数を基準に単価を決めてもいいかも - 自由記述式の質問は1問につき10~50円
※調査テーマや文字数による - 動画手当:1分につき+20~30円
- 高解像度画像手当:100KBにつき+5円
アンケートモニター経験者のみなさん、こんな感じでどうでしょうか。
例えば20タップ必要な調査は20×3円で謝礼60円。
15タップ+自由記述が3回必要な調査は
(15×3円)+(3×10円~)=75円以上の謝礼がもらえる感じになります。
このくらいの単価なら、私は納得感があります。
タップ数が多いアンケートは手も目も疲れるので、謝礼額に反映してほしいです。
無理だろうけど、回答する側としてはタップ数が多いアンケート
ほど、謝礼額を上げてほしいってことだね
昔は郵送アンケート1件につき500円だった
インターネットが普及する前は、一件ずつ郵送でアンケート用紙をモニターに送って市場調査を行なっていました。
当時の謝礼はアンケート一件あたり最低500円でした。
現金ではなく、図書カードやギフトカードで謝礼をもらっていましたね。
その頃は今のように毎日アンケートに参加できる仕組みではなかったものの、「モニター謝礼が安すぎる」と思うことがなくて良かったですよ。
2. 一部の覆面調査・試用モニターも謝礼額が少ない
謝礼の単価が下がっているのはwebアンケートだけではありません。
最近、一部の覆面調査モニターと試用モニターの依頼でも謝礼額が極端に安いものがあり、驚いています。
具体的な調査内容は守秘義務があるので伏せますが、店舗を訪問して写真を提出する覆面調査で、謝礼額が一店舗につき50円だったんですよ。
大の大人が身支度をして交通費も自腹で出かけて、お店の写真まで撮って、
謝礼が50円って…… ( ゚д゚ )
どういう基準でその金額になったのか謎です。
もちろん私は応募していませんが、その謝礼額で応募が集まったのか気になります。
覆面調査は事前研修にも時間がかかりますし、一店舗につき3,000円はもらいたいですね。
謝礼額50円の依頼を見たのはその1件だけですが、覆面調査に特化したモニターサイトで評判がよくないところ(※)も謝礼額がすごく安いんですよね。
※当サイトでは一度も紹介していないところです。
サービス名で検索したら、電話営業がしつこいという利用者の口コミが検索上位に挙がっている某サイトです
業界全体で覆面調査の謝礼額が下がっているわけではなく、ごく一部の会社が相場を無視して、極端に安い金額でモニターの募集をかけているんだと思います。
一方で、試用モニター(試用アンケート・ホームユーステストのモニター)は一部の大手アンケートサイトでも謝礼額が下がっています。
先日、2週間の試用テストで謝礼額が300円の募集があり、
「こんなにも謝礼額が下がってしまったのか」とショックを受けました。
割に合わないので私は応募しませんでした。
お菓子を一回食べるだけ、などの単発の試用テストならまだしも、2週間同じ製品を使い続けることはかなりモニターの負担になります。
それは調査会社側が一番理解しているはずなのに、なぜ300円に……( ゚д゚ )
試用モニターで行なうこと
- 資料を読んで調査のルールを理解する
- テスト商品を自宅で受け取る
- 指示どおりに試用する(この例では2週間)
- 試用後、期日までにアンケートに回答
- 期日までにテスト商品を返品する
以上の1~5までの手順をミスなく全部こなして、最低時給の1/3程度の謝礼しかもらえないってどうなんでしょう。
試用モニターは企業が開発中の製品を扱うから、守秘義務もしっかり守らないといけないんですよ。
この内容で募集をかけた調査会社の人も、自分の友人知人に同じ条件で頼めるかといったら、相手に失礼すぎて頼めないと思うんです。
モニターに支払う謝礼は安ければ安いほど良い、という方針に変わってしまったのでしょうか。
この会社は競合他社と謝礼額の差が広がってきています。
逆に言うと、ここまで試用モニターの謝礼を下げた大手は今のところ一社だけなので、他社は追随しないでほしいです。
3. 結果、参加型調査狙いになった
webアンケートの謝礼額が下がり続けた結果、
私は「座談会」「会場調査」「オンラインインタビュー」の募集アンケートを中心に回答するようになりました。
この3つの参加型調査はモニターと調査員が顔を会わせるせいか、謝礼額が
下がっていません。
どの調査も最低時給の2倍以上は謝礼がもらえます。
特にオンラインインタビューは自宅から気軽に参加できるので、依頼が来たら必ず応募するようにしています。
D style webはオンラインインタビューの謝礼額が高額なので、募集をまめにチェックしています。
普通のwebアンケートにたくさん回答するより、参加型調査に一回参加するほうがたくさんお小遣いが稼げるんだよね~
4. このままモニターの謝礼額が下がり続けたらどうなる?
このままアンケートモニターの謝礼額が下がり続けたらどうなるのか。
私は次の2つの問題が発生するのではないかと予想します。
- パネル(アンケートモニター会員)の属性が偏る
- 回答の質が悪くなる
1.「パネルの属性が偏る」とは?
まず第一に、もらえる謝礼額が下がったら、所得が多い人ほどアンケートモニターを退会していくと思います。
お金に困っていないなら、モニター謝礼が割に合わないと感じた時点でやめてしまいますよね。
社会の中流・上流に属する人たちがパネルから抜けて、所得が少ない人の割合が増えるのではないでしょうか。
その結果、高額なサービス・製品の調査がしづらくなると思います。
例えば「マイホームにサウナを設置している人向けのアンケート調査」などで募集をかけても、回答者が集まらない、該当する人がそもそもパネルにいない、というふうになるかもしれません。
「数円の謝礼で何分間も辛抱強くアンケートに回答してくれる人」を求めるの、無理があると思うのよ……
低単価を続けていたら、言い方は悪いけど貧困ビジネスみたいになっちゃって、裕福な人は集まらないよね
2.「回答の質が悪くなる」とは?
同じ人がアンケートに回答するのでも、謝礼が10ポイントか100ポイントかで取り組む姿勢が変わってきます。
もらえるポイントが少なくなればなるほど、質問文の読み飛ばしや適当な回答が増えて、データの質が悪くなるでしょう。
私自身も全てのアンケートに嘘をつかず、一応真面目に回答していますが、
もらえるポイント数に対してあまりに質問数が多いアンケートは途中で回答をやめたり、途中からうんざりしてその気持ちが自由記述式の回答に出てしまったりするんですよね。
ホームユーステストでも、謝礼が高額な調査ほど事前にしっかりルールを確認しますし、やはり謝礼の金額は回答の質に大きく影響すると思います。
謝礼がたくさんもらえる調査は
「がんばってしっかり回答しよう!」って気持ちになるよ
5. モニターの労力に見合う謝礼を払ってほしい
アンケートモニターは労働ではないので、モニターの謝礼に最低賃金は適用されません。
しかし、あまりにモニターの謝礼額が安すぎるとモチベーションが下がり、
調査会社のことも信頼できなくなってしまいます。
労力に見合った謝礼を受け取れるアンケートサイトが増えてほしいです。
謝礼額を増やすことのほかに、webアンケートに自動入力機能をつけて、
モニターが手入力する質問数を減らすことも有効です。
アンケート一件あたりの質問数が減れば、同じ謝礼額でもモニターの満足感は高まりますよ。
アンケートモニターはお小遣いを稼ぐためにやっているから、
なるべく効率良くアンケートに回答したいんだよね。
短時間で回答できるようにしてほしいな~
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